この広告、メッセージは90日以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事でこのメッセージが消せます。
  

Posted by あしたさぬき.JP at

2016年02月26日

「秘伝―白味噌あんもち雑煮」

「秘伝―白味噌あんもち雑煮」

~心に積み重なる様々な出来事をこのコラムに寄せて~

この紙面にコラムを掲載するようになり、もう7年が過ぎた。

お年寄りと一緒に暮らすのって、こんなに楽しいんだよ、って
伝えたくて始めたこのコラム。

いろんな人が「読んでるよ」って言ってくれ、
ちょっとだけだけど、介護は大変な事ばかりじゃないよ、って
伝えられてるかな、と思っていた。

コラム「闇の集会」が掲載されたのは、2週間前。
高齢者にとってタブーなお餅をどんな風にしたら美味しく食べてもらえるかって
みんなで試行錯誤したお話を書いたもの。

皆真剣だけど楽しく仕事している雰囲気が伝われば、と思って書いたのだが、
掲載されたその日の午後、見慣れぬ女性が事務所の玄関に現れた。

何と、白味噌あんもち雑煮のレシピをいただけないか、とのお問い合わせ。
その女性は長年、旦那様を介護してこられたが、
何となく食が細くなってしまったご主人を気遣い、
白味噌あんもち雑煮を食べさせてあげたい、と思われたそう。

わざわざ事務所まで訪ねてくれた事が嬉しくて
私たちは何時間もおしゃべりした。

そして何と、私は昨日いただきました、白味噌あんもち雑煮。

お昼のおやつに、とみんなで作ってくれたあんもち雑煮は、
懐かしくて温かくて、まさに昔食べていたおばあちゃんの白味噌あんもち雑煮そのもの。
餅もちっとした食感と、あまじょっぱい味が何ともいえず美味しかった。

因みにこのあんもち。
もちろん本物のお餅ではありません。
色々試した結果、もち粉入りの餃子の皮が一番お餅感があったとのこと。

皆さんも是非お試しあ~れ。

あんもち餃子



「秘伝ー白味噌あんもち雑煮」
  

Posted by syuri at 07:00Comments(0)介護編

2016年02月19日

「いくつになっても・・・」

「いくつになっても・・・」

~心に積み重なる様々な出来事をこのコラムに寄せて~

「頑張って、ほら、ここに手をついて」と、
一生懸命 励まされる声に 動かされるように
車椅子から 椅子に座る 女性。

不安げに 身体を動かす女性に、
頑張れ、がんばれと 声を掛けながらも、
幾度も 手を掛けそうになっては、
思いとどまる もう一人の 女性。

この二人の女性は 少し前からうちを 利用されている 母娘。
二人とも 身体が思うように 動かなくなり、
二人一緒に 利用するように なった。

二人ともに 車椅子で 移動しておられるが、
母親の方が 高齢な分、
出来ない事も ちょっとだけ 多い。

年を取ると、親子の関係も 何となく 逆転してしまい、
子供が 親の心配を するようになる。
ご飯の事、身体の事、お金の事。
親が自分を 守ってくれたように、
今度は 自分が 気持ちを注ぐ。

そんなことを 考えながら その二人の様子を 見ていると、
二人の関係は 逆だと 気づいた。

顔も 着ている服も よく似た二人で 分かりにくかったが、
励ましているのは 母親で、椅子に 移ろうとしているのが 娘だった。

いくつになっても 親は親。
自分よりも 子どものことが 気にかかる。
「いつまでも 元気でいて ほしい」と願い、
「自分の事は 自分でやりなさい」と 咤する。
ぶっきらぼうだけど、
母親の 愛が 詰まった 励ましは 
とても深くて 温かい。
そして 他の何にも 代えがたい。



  

Posted by syuri at 07:00Comments(0)介護編

2016年02月12日

闇の集会

「闇の集会」

~心に積み重なる様々な出来事をこのコラムに寄せて~

ふと 忘れ物をしたのを思い出し
夜、仕方なく職場に 戻った。

暗く静かなはずの食堂に 明かりが灯り
なんだかにぎやかな 話し声がした。
何やってんのかな?

と思い、

その声のするほうへ 行ってみると
5.6人集まって 何かを食べていた。

「さっきの方がっぽいよ。」 「けど、食べやすいのはこっちだよね。」

何?何? 「何やってんの」と聞くと

「お雑煮、作ってます」

えっ?お正月は終わっちゃいましたけど・・・。

皆さんも ご承知の通り
讃岐のお雑煮は ちょっと変わりもの。

白味噌に あんもちが入っている。

ずっと讃岐人の私は 小さいころからこのお雑煮で
何の不思議も 感じなかったが
香川県だけよ、と聞くと
何だか、異質なものに感じ、最近では とんと食べなくなった。

高齢になると お餅は天敵!!

私たちのような施設では 
なかなか本物のお餅を 食べてもらう機会は 持てない。

けれどそこは、讃岐人。
どうしても 白味噌あんもち雑煮が食べたい
とおっしゃる。

そして どうしても 白味噌あんもち雑煮を食べさせてあげたい
とおっしゃる。

そして始まったのが 
この「どうしたら白味噌あんもち雑煮が安全に食べられるか 
集会」だった。

餃子の皮や パイ生地
包める物は 何でもやってみる
といろんな物が あんもちに見立てられ
白味噌雑煮の中に 浮かべられていた。

何だか楽しそうだな。

さて、
何が 一番あんもち雑煮っぽかったのか、
お知りになりたい方は 是非お問い合わせください。

レシピを差し上げます。

闇の集会





  

Posted by syuri at 07:00Comments(0)介護編

2016年02月07日

『はないちもんめ』

『はないちもんめ』

~心に積み重なる様々な出来事をこのコラムに寄せて~

雪の舞う 所庭を眺め
保育所の お遊戯室から
子どもたちの 声がとどく

大きく 大きく とどく

「か~ってうれしい はないちもんめ」
「まけ~てくやしい はないちもんめ」
「あの子が ほしい」
「あの子じゃ わからん」
「そうだんしましょ」
「そうしましょ」
「き~まった~」

子どもたちが 横一列に 向かい合い
一進一退を くりかえす

子どものころに 親しんだ方も 多いことでしょう
地方によって 歌詞は、少し違う ようだが
大意は、貧困と 口減らしに あるようだ

少子化、子どもの貧困が 取りざたされる 近頃
ひとり ひとりの 子どもたちに なにができるだろう

春に向け
未来に向け

「はないちもんめ」
  

Posted by syuri at 07:00Comments(0)健康新聞

2016年02月05日

「鉄壁を打ち砕けっ!」

「鉄壁を打ち砕けっ!」

~心に積み重なる様々な出来事をこのコラムに寄せて~

車椅子は 椅子だけど 椅子じゃない。
歩行が 難しくなったら 移動手段として 使うためだけの もの。

「座って過ごすのは 車椅子じゃなくて 椅子にしましょう。」
ずっと そうやって 暮らしてもらってきた けれど、
今度の 女性は どうにも 手ごわい。

「椅子に 移り替わるのは 面倒だ」
「職員さんに 手間をかけるのは 申し訳ない」
「車椅子なら 自分で 操作して、
いつでも 好きなところに 行ける」 などと 言い、
あの手 この手で 攻めてくる。

根負けし 観念してしまう 私たちだが、
今日は びっくり、スムーズに 椅子へと 移ってくださった。
それも、15センチ近く ある 舞台へと 上り、
歩いて 椅子に 座ってくれた。

もちろん 介助しながら ではあるが、
その女性には 考えられない 出来事だった。

ステージに 上がり、よそゆきの声で 歌う 晴れの 舞台で 
一人、車椅子は 寂しかったの だろう。
その姿に 「これからも 椅子に 座ってもらえるかも」 と、
淡い期待を 抱いたのも つかの間、
それからも 鉄壁の 守備で 車椅子を 死守している。

けれど、一度は 椅子の座り 心地を 体験し、
自ら椅子へと 移り替わって くれた。

何となく だけど、攻める術は ある。
私たちに 迷惑を かけている、何て 
思わさなければ 良いのだ。

面倒でも 椅子の方が 居心地も良く快適だ、と 感じてくれれば 良いのだ。
やる気が 出てきた。
さあ、 どうやって 攻めますか。

鉄壁を打ち砕けっ!
  

Posted by syuri at 07:00Comments(0)介護編