2013年03月12日
手は口ほどにものを言う
手は口ほどにものを言う
~心に積み重なる様々な出来事をこのコラムに寄せて~
マユミさんは認知症で、見当識に障害があり、相手を認識することが苦手なのかと思うことがしばしばあった。先日、マユミさん(50)とその御主人(51)と私(60)と20歳代の若者二人の5人で遠出をすることになった。その中で、素敵な出来事がたくさんあったので、その一つを紹介したい。
5人で歩いて、とある駅の階段に差し掛かったときの事。マユミさんは迷うことなく私の手を引いて一緒に階段を上ってくれた。「大丈夫?」と私をリードしてくれるマユミさんの手はとても優しく頼もしかった。階段を上りきると、今度は御主人と腕を組んで歩き出した。御主人の腕にそっと寄り添って歩く姿がとても微笑ましかった。
マユミさんは相手を認識することが苦手だとばかり思っていた。でも、それは、こっちの勝手な思い込みだったのだ。20歳代の二人はさておき、御主人と私なら見た目はそう変わらないよ、きっと。それでも、5人の中で、自分より年配者が私だと即座に見抜くマユミさんの眼力と、私と御主人で変化させた手の使い方。それはしっかりと相手を認識している証拠だろう。
誰かを気遣う手、誰かを助ける手、誰かに頼りたいときの手、ちょっと甘えたいときの手。そのときの気分や状況や相手によって様々な動きを見せるマユミさんの手。それを見ているうちに、マユミさんも何ら変わらない一人の女性なのだと感じた。見当識障害なんて軽々しく言うものではないな。
~心に積み重なる様々な出来事をこのコラムに寄せて~
マユミさんは認知症で、見当識に障害があり、相手を認識することが苦手なのかと思うことがしばしばあった。先日、マユミさん(50)とその御主人(51)と私(60)と20歳代の若者二人の5人で遠出をすることになった。その中で、素敵な出来事がたくさんあったので、その一つを紹介したい。
5人で歩いて、とある駅の階段に差し掛かったときの事。マユミさんは迷うことなく私の手を引いて一緒に階段を上ってくれた。「大丈夫?」と私をリードしてくれるマユミさんの手はとても優しく頼もしかった。階段を上りきると、今度は御主人と腕を組んで歩き出した。御主人の腕にそっと寄り添って歩く姿がとても微笑ましかった。
マユミさんは相手を認識することが苦手だとばかり思っていた。でも、それは、こっちの勝手な思い込みだったのだ。20歳代の二人はさておき、御主人と私なら見た目はそう変わらないよ、きっと。それでも、5人の中で、自分より年配者が私だと即座に見抜くマユミさんの眼力と、私と御主人で変化させた手の使い方。それはしっかりと相手を認識している証拠だろう。
誰かを気遣う手、誰かを助ける手、誰かに頼りたいときの手、ちょっと甘えたいときの手。そのときの気分や状況や相手によって様々な動きを見せるマユミさんの手。それを見ているうちに、マユミさんも何ら変わらない一人の女性なのだと感じた。見当識障害なんて軽々しく言うものではないな。
Posted by syuri at 00:00│Comments(0)
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