2015年09月04日

「島の住民、み~んな家族」

「島の住民、み~んな家族」

~心に積み重なる様々な出来事をこのコラムに寄せて~

 この春からお付き合いが始まったご夫婦がいる。ご夫婦ともに介護が必要な状態でご主人は支えがないと歩くことも儘ならない。何か月か前に体調を崩し入院して以来、自宅には帰らず介護施設で暮らしてこられた。ご夫婦の自宅は瀬戸内海に浮かぶ人口200人余りの小さな島。この島での何十年かの暮らしはご夫婦にとって想い出深く、かけがえのないものに違いない。
 まだ寒い時期、「一度でもいいから島に帰してあげたい」と言う娘さんの言葉からそのご夫婦の在宅生活復帰の計画が立てられた。医療はどうか、自宅は大丈夫か、など色々段取り、少しの時間の帰宅から始め、今では自宅で寝泊まりもできるようになった。自宅で寝泊まりって当たり前じゃない、と思う人もいるかもしれないが、本当に二人にとっては難しく特別な事だった。そんな特別な事が当たり前になったのはご近所さんたちのおかげだった。自宅に帰ると大きな声で「帰ったんな」と挨拶しながら夕飯のおかずを差し入れてくれる。買い物に出かけると以前のように賑やかに話しかけてくれる。時には「もっと元気になりまいよ」と勇気づけてもくれる。そんな皆さんのおかげで二人は以前より明るくなった。
 島での暮らしはとっても素敵。少ないからこそ生まれるつながりは、きっと自然なことで、本物なんだな、と気づかせてくれた。


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