社会福祉法人守里会 新聞連載コラム

「暑中お見舞い申し上げます」
～心に積み重なる様々な出来事をこのコラムに寄せて～


夏は
食が進まない。



素麺やうどんなどといった

冷たくて
のど越しの良いメニューに

逃げがちだ。


その日の昼食も
メインは素麺。


いただいたトマトを
付け合わせて
冷製素麺を作った。



その女性は
以前からご飯を食べない。


好きなものは甘いお菓子。

お菓子ならパクパク食べる。



かといって

お菓子が栄養源
というわけにもいかないので


手を変え品を変え


少しでも食べてもらおうと
工夫する。


今日の冷製トマト素麺も

少しずつではあるが
食べておられる。



好みがはっきりとしておられるので

「旨い！」と

思ってくれたら食べるのだが


旨くなければ
ほぼ手を付けようとはしない。


なので

冷製トマト素麺は
それなりに
旨かったのだろう。



次の強敵は
おにぎり。


麺類のときには
ほぼ、セットで付くおにぎりには
手を付けたことがない。




皆さん
お腹いっぱいで

何となくのんびりした時間を
過ごしていると


別の女性がニコニコしながら
やってきた。



「あの人、食べたわよ、おにぎり」と
話すので

見ると確かにお皿は空っぽ。


「私が作ったからね」と

ドヤ顔のその女性に


「これから毎回お願いね」


「えぇ！！嫌よぉ」

と

ちょっと嬉しそう。




暑い夏を乗り切る為には

旨いおにぎりと
その笑顔があれば充分。

夏バテなんて

くそくらえ。