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Posted by あしたさぬき.JP at

2016年10月28日

「言葉より伝わるもの」

「言葉より伝わるもの」
~心に積み重なる様々な出来事をこのコラムに寄せて~

「また言うとんか! いい加減にしろ!」

足が悪く
歩行器を使用している讃岐さんは

回りから「大丈夫?」「あぶないよ」
と言われることが

大の苦手です。


確かに

歩くたびにそう言われていたら
いい加減にしてほしい

と思うのは当た前です。


その言葉をかけるのをやめよう
讃岐さんに任せよう。

そう決めてみましたが
うまく行きません。


ですが
よくよく見ていると

人によって
同じような言葉をかけても
讃岐さんが見せる表情が
違うことに気づきました。

その違いは何なのでしょう。



私は
仕事をしている時や
家で過ごす時

また
友人と会っている時など

立場や関係の違いから
その場に合わせて

自分を作っています。


でも、それは
作った自分なので

うまくいきません。



時として
誰かと関わる時に会話がはずみ
お互いに疲れないことがあります。

そんな時は
相手の方と自然に自分を隠さず
付き合っているのではないかと思います。

言葉や表情だけでは表せない
本当の気持ち。

それは
讃岐さんのことをどう"想って"いるかに

他なりません。

表面には見えていないその想いに
讃岐さんは心を動かされるのです。



毎日会いに来られる娘さんに
今日も
最高の笑顔を向けられる
讃岐さん。

その瞬間が
何より大切なのかもしれません。

「言葉より伝わるもの」
  

Posted by syuri at 07:00Comments(0)介護編

2016年10月21日

「季(とき)の季子(きこ)ちゃん」

「季(とき)の季子(きこ)ちゃん」
~心に積み重なる様々な出来事をこのこのコラムに寄せて~

首を長くして待っていた
その日


豆しば犬の季子ちゃんが
施設の中庭に
やって来ました。



移り変わる季節を感じながら
たくさんの人たちとの時間(とき)を

大切に暮らして欲しいと
願いつけられた

季(とき)。



待ちに待った季子ちゃんの登場に
皆さんの生活も
少しずつ変化が見られています。



今まで
朝起きるのが億劫だった
女性は

季子ちゃんの世話を目的に
季子ちゃんの鳴き声と共に

自ら起きてくることが
習慣になりました。


「腰が痛いから」と
なかなか部屋から出ようとしなかった
男性は

季子ちゃんの世話をするのが
日課になりました。



少しずつ
家族の一員としての『存在』が
大きくなってきている

季子ちゃん。



最近では

『私が散歩に連れて行ってあげる』という声も
聞こえてくるようになりました。





一匹の犬がもたらしてくれた
変化。

ここで暮らす皆さんの
生活の広がりを目的に

室内犬ではなく
あえて
屋外犬を選んで
良かった

と改めて感じました。

利用者さんたちの
暮らしぶりや表情で見えてくる

ケアの本質。


・・・季子ちゃんには負けてられないな。



「季(とき)の季子(きこ)ちゃん」

  

Posted by syuri at 07:00Comments(0)介護編

2016年10月14日

「海よりも深く」

「海よりも深く」
~心に積み重なる様々な出来事をこのコラムに寄せて~

「あんた若いんやし、自分で取ってきまい。」

ある日の昼食。


中央には
みんなで一生懸命作った
数種類のおかずやお味噌汁が

テーブルに所狭しと
並べられている。



お盆の上に
それらをのっけて

そおっと

そおっと



こぼさないように
ゆっくり歩く。





デイサービスには珍しく
うちでの食事において

「上げ膳・据え膳」はご法度。


「働かざる者、食うべからず」が徹底され

何人も働かされる。


自分が食べるものは
自分で取りに行く


自分が食べた後は
自分で片付ける

これが鉄則。


そこで発せられたのが
冒頭の言葉

「あんた、若いんやし、自分で取ってきまい。」


うちでの食事を知らない人には

「なんだか責められているみたいで可哀想」って

思われるかもしれません。

けれど
うちではこれは

最高の愛情表現。


相手のことを思い
厳しい言葉を投げかける。


みんながそれぞれ
そうやって助け合い

気に掛け合って
生活しておられる。


言われた方も
反論するでもなく

「そうね、そうね」と
動き始める。


時にはいき過ぎちゃって
ケンカになりそうなこともあるけれど

それはそれで

人間らしい。



思いの全てを
伝えることは難しいけれど

思いの強さを
量ることができたなら


何よりも強い絆を
築くことができるに

違いない。


「海よりも深く」


  

Posted by syuri at 07:00Comments(0)介護編

2016年10月07日

「うんどうかい」

「うんどうかい」
~心に積み重なる様々な出来事をこのコラムに寄せて~

先日の保育所での運動会。

「がんばるもん」という
入場門に書かれた
決意表明通り

どの子もみんな
頑張った。

キラキラしていた。



頑張りすぎて
泣いちゃった子の周りは

笑顔に包まれていた。

それら全てが
キラキラしていた。




子どもの成長は
無限の可能性を

秘めている。


自分にとって
意味があるか

そうでないかは


関係ない。



意味があるものに
変えられる力が

あるのだ。


ましてや

自分を成長させてくれるか
どうかなんて

考えてやってる訳でもない。


全て「好奇心」なのだ。



好奇心は
チャレンジに変わり

経験となり

成長し続ける。


大人になると
全てに「意味」を

求めようとする。


だから
成長できないの

かもしれない。


「うんどうかい」

  

Posted by syuri at 07:00Comments(0)介護編

2016年10月02日

「柳葉魚(ししゃも)」

「柳葉魚(ししゃも)」
~心に積み重なる様々な出来事をこのコラムに寄せて~

オリンピック・パラリンピックに盛り上がり

2020東京開催まで
待っていられないと

次回への期待を膨らませた
盛夏でした。


特に
パラリンピックにおける
競技の特性
環境、支援者

さまざまな魅力あふれる姿に

ブラジルとの時差を忘れさせられました。



ふと周囲を見渡すと

大きな大輪の向日葵から
淡いピンクのコスモスへと
路傍の花々も移り変わり

秋風とともに季節の変化を
感じさせられます。


夏を熱く過ごした分
このオリンピックロスが
身に沁みますね。





さあここは食欲の秋と
昔から伝えられるではありませんか。


そこで一考

柳葉魚(ししゃも)



北海道の太平洋にみられる回遊魚
晩秋に川を産卵のために遡上します。


ご存知の方々もあろうかと思いますが
語源は、アイヌ民族の伝説に
由来しているとされます。


飢餓に苦しんでいた町の人々への想い

そして病気の父のために
娘が川岸で神に祈りをささげたところ

柳の葉が次々と川に舞い降りて
柳葉魚(ししゃも)になったといいます。


かつて「神の魚」とされた柳葉魚も
年々
漁獲量が減り

大半がカラフトシシャモとなり
本柳葉魚を口にする機会は
めっきり減ってまいりました。


ますます秋深まるこの頃

遠く北海道
いにしえのアイヌの伝説に
思いを馳せ

父のために祈った娘を讃え

カルシウムを摂ってみましょう。



かりかり、こりこり、ぷちぷちの食感。

やはり、あぶったほうがいいかな。

「柳葉魚(ししゃも)」
  

Posted by syuri at 07:00Comments(0)健康新聞