2014年06月03日
「生きていく力」
「生きていく力」
~心に積み重なる様々な出来事をこのコラムに寄せて~
「ちょっと、これ持って行きなさい。」そう言いながら、金平糖を分けてくれるサチコさん。居室の前を職員が通るたびに「これ持って行きなさい。」とお裾分けをくれる。これはサチコさんの生活の知恵なのだ。
サチコさんは施設に入所してくる前は、地域で一人暮らしをしていた。身内は息子さん御一人だけ。その息子さんは県外で暮らしている。そのため、サチコさんは生活の全てをほぼ一人でこなしていた。でもその裏で、サチコさんを支えていた近所の小学生たちがいたのだ。
サチコさんは昔から足が不自由だった。それは高齢になると更に悪くなり、外出することが難しくなっていた。でも、隣近所の小学生に物語や歌を聞かせたり、お菓子をお裾分けしたりして仲良くしていたから、「ばあちゃん、飲み物買って来たよ。」とか「ばあちゃん、困ったことない?」とか言いながら、小学生が毎日のようにサチコさん宅を出入りしていたのだ。荒っぽい言い方をすれば、小学生たちを「手なずけていた」ということになるのだが、私には、それがサチコさんらしくて実に逞しい力だと感服した。
施設へ来てからも、職員をお裾分けで手なずけようとしているのだろうか。不謹慎かもしれないが、そうであって欲しいと思う。見栄を張り、体裁や世間体を気にしすぎて自分をなくしていくよりも、方法はどうあれ、自分の生活を維持するために、あらゆる手を尽くす。その、生きることに全力な姿勢に尊敬の念すら覚える。
~心に積み重なる様々な出来事をこのコラムに寄せて~
「ちょっと、これ持って行きなさい。」そう言いながら、金平糖を分けてくれるサチコさん。居室の前を職員が通るたびに「これ持って行きなさい。」とお裾分けをくれる。これはサチコさんの生活の知恵なのだ。
サチコさんは施設に入所してくる前は、地域で一人暮らしをしていた。身内は息子さん御一人だけ。その息子さんは県外で暮らしている。そのため、サチコさんは生活の全てをほぼ一人でこなしていた。でもその裏で、サチコさんを支えていた近所の小学生たちがいたのだ。
サチコさんは昔から足が不自由だった。それは高齢になると更に悪くなり、外出することが難しくなっていた。でも、隣近所の小学生に物語や歌を聞かせたり、お菓子をお裾分けしたりして仲良くしていたから、「ばあちゃん、飲み物買って来たよ。」とか「ばあちゃん、困ったことない?」とか言いながら、小学生が毎日のようにサチコさん宅を出入りしていたのだ。荒っぽい言い方をすれば、小学生たちを「手なずけていた」ということになるのだが、私には、それがサチコさんらしくて実に逞しい力だと感服した。
施設へ来てからも、職員をお裾分けで手なずけようとしているのだろうか。不謹慎かもしれないが、そうであって欲しいと思う。見栄を張り、体裁や世間体を気にしすぎて自分をなくしていくよりも、方法はどうあれ、自分の生活を維持するために、あらゆる手を尽くす。その、生きることに全力な姿勢に尊敬の念すら覚える。
Posted by syuri at 00:00│Comments(0)
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