2013年04月16日
「幸せの形」
「幸せの形」
~心に積み重なる様々な出来事をこのコラムに寄せて~
数年前、デイサービスに来だした頃のタケシさんは、脳梗塞を繰り返し、身体の左側に麻痺が残っていた。娘との関係もなんだかぎくしゃくしていて、お迎えに行っても娘とケンカしていることが多く、娘の見送りはなかった。デイサービスに来てもタケシさんの口から聞こえてくるのは娘の愚痴ばかり。
でも、周りの利用者の皆さんは、その愚痴に同調しながらも、必ず「だけどね…」と、会ったこともないタケシさんの娘の良いところを口にする。タケシさんの着てくる服はいつもお洒落で「タケシさんのことが好きだから、素敵な服を買ってくる」とか、タケシさんの部屋は南側で日当たりの良い場所にあるのだけど「タケシさんのことが好きだから、良い部屋を使わせてくれる」等々。まるで、二人の仲を取り持つような感じだ。
最近は、タケシさんのお迎えに行くと、娘と一緒に花壇をいじりながら待ってくれている。車に乗り込む時も「行ってらっしゃい」と娘が言うと「ありがと」と小さな声でタケシさんが返事をする。いつか「ワシが何を言っても、皆が、娘はワシのことが好きなんだと言うから、その気にさせられたんだ」と少し怒ったように呟いていたが、それはきっとタケシさんなりの嬉しさと感謝の現れ。
タケシさんの身体の状態は数年前と変わらない。でも、娘との関係は以前より良好で、娘の愚痴を聞くこともなくなった。代わりに「皆に感謝、娘に感謝」と幸せそうに口にする時がある。それを見ていると、こちらまで幸せな気持ちになってくるのだ。
~心に積み重なる様々な出来事をこのコラムに寄せて~
数年前、デイサービスに来だした頃のタケシさんは、脳梗塞を繰り返し、身体の左側に麻痺が残っていた。娘との関係もなんだかぎくしゃくしていて、お迎えに行っても娘とケンカしていることが多く、娘の見送りはなかった。デイサービスに来てもタケシさんの口から聞こえてくるのは娘の愚痴ばかり。
でも、周りの利用者の皆さんは、その愚痴に同調しながらも、必ず「だけどね…」と、会ったこともないタケシさんの娘の良いところを口にする。タケシさんの着てくる服はいつもお洒落で「タケシさんのことが好きだから、素敵な服を買ってくる」とか、タケシさんの部屋は南側で日当たりの良い場所にあるのだけど「タケシさんのことが好きだから、良い部屋を使わせてくれる」等々。まるで、二人の仲を取り持つような感じだ。
最近は、タケシさんのお迎えに行くと、娘と一緒に花壇をいじりながら待ってくれている。車に乗り込む時も「行ってらっしゃい」と娘が言うと「ありがと」と小さな声でタケシさんが返事をする。いつか「ワシが何を言っても、皆が、娘はワシのことが好きなんだと言うから、その気にさせられたんだ」と少し怒ったように呟いていたが、それはきっとタケシさんなりの嬉しさと感謝の現れ。
タケシさんの身体の状態は数年前と変わらない。でも、娘との関係は以前より良好で、娘の愚痴を聞くこともなくなった。代わりに「皆に感謝、娘に感謝」と幸せそうに口にする時がある。それを見ていると、こちらまで幸せな気持ちになってくるのだ。
Posted by syuri at 00:00│Comments(0)
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