2014年09月26日

「年よりではありません」

「年よりではありません」

敬老の日、97歳のケイコさんは全てのお祝いを断った。「私はまだ年よりではない。」というのが、その理由。
 ケイコさんは、車椅子での生活をしてはいるが、歳のわりには元気で、人の手は借りたくないという考えの持ち主。だから、年より扱いされるのが大嫌い。97歳にして人生の楽しみはこれからだと言い切る。しかも、周りの人たちが年より染みたことを言うのも大嫌い。
 周りの人たちも、そんなケイコさんのことをよく知っているから、70~80歳の人たちは誰一人としてケイコさんの前で「年より」という言葉は口にしないし、そんな雰囲気も出さない。更に、ケイコさんに「あなたは私の息子と同い年ですよ。」と言われれば、ケイコさんが元気に動いているうちは、自分たちも「しんどい。」なんて言っていられな
いとばかりに元気に動き出す。だから、ケイコさんがいる日は、若さと活気に満ち溢れている。
 家族の前でも同様のようだ。「年よりだと自覚してもらわないと、こっちの身が持ちませんよ。」と笑いながら話してくれる息子さんは77歳。先日、脳梗塞で倒れたが、幸い目立った後遺症もなく退院できた。「親より先に逝くのは一番の親不孝。」そう思って退院してきた息子さん。「母が元気なうちは私もおちおち寝てもいられません。」そう言いながら大笑い。ケイコさんの、年より扱いされたくない気概は、周りに良い影響を与えているようだ

「年よりではありません」


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