2015年10月09日
「リロケーションダメージ」
「リロケーションダメージ」
~心に積み重なる様々な出来事をこのコラムに寄せて~
「寂しいんや」
声を荒げて周りの人を遠ざけてしまったその男性は、家での生活が少し難しくなってしまったので施設を利用することになった。初めて利用する施設の環境にさらに不安になったのか、大きな声をあげて周囲を威嚇した。話しかけてみたり、気持ちをそらせてみたり、と色々関わってみたが、どうにも不安はおさまらない。普通なら距離を取り、様子を伺うところだが、近くにいた女性が「私で良かったら話聞くで」と優しく声をかけてくれた。すると「寂しいんや」とボソリ。みんなの気を引きたいのか、構って欲しいのか、その胸の内を話してくれた。
認知症を発症すると住み替えによるダメージを受けやすくなるといわれている。けれどそれは何も認知症を発症している人に限ったことではない。私たちだって新しい職場、新しい仲間、新しい習慣に変わる時には何かしら不安を感じ、緊張する。でも、いつの間にか、そこが落ち着ける場所になるのは、一生懸命になれる仕事があって、認めてくれて、信頼のおける仲間ができるから。認知症を発症してもそれは同じ。自分の役割があって、それを助けてくれる仲間がいると、そこはその人にとっての一番になれる。そして誰か一人、優しく声をかけてくれるだけで、寂しくなくなる。

~心に積み重なる様々な出来事をこのコラムに寄せて~
「寂しいんや」
声を荒げて周りの人を遠ざけてしまったその男性は、家での生活が少し難しくなってしまったので施設を利用することになった。初めて利用する施設の環境にさらに不安になったのか、大きな声をあげて周囲を威嚇した。話しかけてみたり、気持ちをそらせてみたり、と色々関わってみたが、どうにも不安はおさまらない。普通なら距離を取り、様子を伺うところだが、近くにいた女性が「私で良かったら話聞くで」と優しく声をかけてくれた。すると「寂しいんや」とボソリ。みんなの気を引きたいのか、構って欲しいのか、その胸の内を話してくれた。
認知症を発症すると住み替えによるダメージを受けやすくなるといわれている。けれどそれは何も認知症を発症している人に限ったことではない。私たちだって新しい職場、新しい仲間、新しい習慣に変わる時には何かしら不安を感じ、緊張する。でも、いつの間にか、そこが落ち着ける場所になるのは、一生懸命になれる仕事があって、認めてくれて、信頼のおける仲間ができるから。認知症を発症してもそれは同じ。自分の役割があって、それを助けてくれる仲間がいると、そこはその人にとっての一番になれる。そして誰か一人、優しく声をかけてくれるだけで、寂しくなくなる。

Posted by syuri at 14:35│Comments(0)
│介護編