2014年08月01日

ハルさんの教え

ハルさんの教え

~心に積み重なる様々な出来事をこのコラムに寄せて~

 「〝待つ〞ことが大切。」それを口癖のように言っていたハルさんが亡くなった。
 私たちは、お年寄りを大切にすることが一般的だ。偉い学者さんが言うには、これは人が高度な学習能力を持つことで、お年寄りの豊富な経験や智恵が人間の生存確率を高めることを知っているかららしい。昔から「亀の甲より、年の功」と言われるように、長い人生で培われたお年寄りの知恵が重要なのだ。
 それを聞いて、ハルさんの口癖が思い出される。最近は、技術の発達で、瞬時に情報が伝わるようになった。今、どの辺りにいるのか、すぐに確認を取る術があるから、デートの際も、相手が現れるのを「今か今か」とワクワクしながら待つことはない。メールが主流となり、すぐに返事をもらえる術があるから、募る思いを手紙にしたため、その返事を待ちわびることもなくなった。そんな時代だからこそ、ハルさんの口癖は重要な知恵として活かされるのだろう。
 きっと、ハルさんが言っていた〝待つ〞とは、自分の意のままにならず、もどかしく、自分の力ではどうにもならないものを認めること。そして、“待つ”とは、相手を信じること、信頼すること、受け入れることなのだと教えてくれていたのだろう。介護でも、待つことが大切と言うが、果たして私は、その真意を理解して、この言葉を使っているだろうか?


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