2014年11月28日

「病気なんて…」

「病気なんて…」

~心に積み重なる様々な出来事をこのコラムに寄せて~

 タケシさんは73歳。数年前に脳梗塞で倒れたが幸いにも大事には至らなかった。その後、癌が見つかり手術をしたが、これも無事に成功。現在は糖尿病で通院しながらも、自宅での生活を謳歌している。
 これだけの病気をしたら気が滅入りそうなものだが、タケシさんは違う。昔、町内会長をしていたこともあり、引退した今でも町内の催し物や会には参加している。そこでタケシさんは自分が病気した時の経験談を皆に話しているのだが、毎回決まって教えてくれることの一つを紹介する。
 同世代の人と話すとき、たくさん病気しているほうが話題に事欠かず良いということ。つまり、歳を取ると多かれ少なかれ調子の悪い所を抱えているもので、病気とは高齢者の共通の話題になるらしい。病気で話が弾み、関係ができ、気に掛け合うことで独りではなくなる。これが逆に、全く病気をしていなかったら、同世代の人たちとは話が合わず、会話が続かない。そうなると、独りで寂しい生活を強いられていたかもしれない。そう考えると、病気というのも悪くはないだろうと。
 考え方の善し悪しはともかく、タケシさんの前向きな姿勢には頭が下がる。病気の一つや二つは話のネタだと思うその豪快さが自宅での生活を謳歌する秘訣なのだろう。

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