2015年12月18日
「学ぶ姿勢」
「学ぶ姿勢」
~心に積み重なる様々な出来事をこのコラムに寄せて~
「大勢の人から多くを学びなさい」
久しぶりにいただいたお抹茶の席で、その女性は私にこう教えてくれた。
その昔、たしなみ程度に始めた茶道は、高級和菓子が食べられるのが唯一の楽しみで、お点前も順番をこなすだけの作業でしかなかった。赤い毛氈を敷き、朱色の大きな傘の下で本格的にしつらえられた野点さながらの情景は、とても風情があり、ここが介護施設なんてことを一瞬忘れさせる。
久しぶりなのよ、と言いながら点ててくれたお抹茶は手作りの和菓子によく合う、とても上品な味だった。記憶をたどりながらたどたどしく振る舞う私にその女性は「飲んだ後に『おせいは?』と尋ねるのよ」と教えてくれた。いただいたお茶の産地を聞き、そんなに遠くから私の為にわざわざ取り寄せてくれて有難う、という気持ちをこめてお辞儀をするらしい。へぇー、そんな事まで教えてもらったっけな、と思いながら頭をあげると、更に女性はこう続けた。「若いうちにたくさん学びなさい、1対1なら言えない事でも第三者なら言える事もあるものよ。『私のお抹茶、美味しかったって言ってよ』って点てた本人は言えないけれど、第三者なら教えてあげられるでしょ。そして人数は多ければ多いほど、
学びは大きいものよ。」姿勢を正してこう話す女性は何だか誇らしげでとても美しかった。
~心に積み重なる様々な出来事をこのコラムに寄せて~
「大勢の人から多くを学びなさい」
久しぶりにいただいたお抹茶の席で、その女性は私にこう教えてくれた。
その昔、たしなみ程度に始めた茶道は、高級和菓子が食べられるのが唯一の楽しみで、お点前も順番をこなすだけの作業でしかなかった。赤い毛氈を敷き、朱色の大きな傘の下で本格的にしつらえられた野点さながらの情景は、とても風情があり、ここが介護施設なんてことを一瞬忘れさせる。
久しぶりなのよ、と言いながら点ててくれたお抹茶は手作りの和菓子によく合う、とても上品な味だった。記憶をたどりながらたどたどしく振る舞う私にその女性は「飲んだ後に『おせいは?』と尋ねるのよ」と教えてくれた。いただいたお茶の産地を聞き、そんなに遠くから私の為にわざわざ取り寄せてくれて有難う、という気持ちをこめてお辞儀をするらしい。へぇー、そんな事まで教えてもらったっけな、と思いながら頭をあげると、更に女性はこう続けた。「若いうちにたくさん学びなさい、1対1なら言えない事でも第三者なら言える事もあるものよ。『私のお抹茶、美味しかったって言ってよ』って点てた本人は言えないけれど、第三者なら教えてあげられるでしょ。そして人数は多ければ多いほど、
学びは大きいものよ。」姿勢を正してこう話す女性は何だか誇らしげでとても美しかった。
Posted by syuri at 07:00│Comments(0)
│介護編